ホンダのFCV(燃料電池自動車)、クラリティ(正式名称:CLARITY FUEL CELL)に試乗した。
水素と酸素が化学変化を起こすことによって電気を作り、
その電気でモーターを回して走るクルマだ。
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水素を作り出すのに電気が必要だとか、コストの問題とか、
まだまだはっきり見えないところもあるが、
クルマからは水しか排出されず、環境的には究極のクリーンカー。
自己発電できるので災害時に家に電気を供給できるという点でも注目されている。
大ざっぱに一軒家で7日間ぐらい普通の暮らしができるぐらいの発電能力があるそうだ。
ちょうど災害時なのでこんな部分も注目だ。

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燃料電池というくくりを切り離せば電気自動車。
モーターで動くかエンジンで動くかを気にしなければ自動車。

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サイズ的にはトヨタ・ミライより一回り大きく、そして5人乗り。
特徴としている燃料電池パワートレイン一式をボンネット下にすべて収めた
パッケージングなので室内が凄く広い。

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普通に乗ってとても静かな良く出来たクルマだった。
乗り心地がすごくいい。良すぎるぐらいだ。
(リース販売時の公官庁向け味付けか?)
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そして過度にアクセルレスポンスを強調してないのがいい。
モータートルクでドンッと出る特徴を力強さと表現できるけど、
出足はちょぅとラフにアクセル踏んでも穏やかな方がいいからね。
踏み込んでいった時の滑らかさと、まあまあ伸びやかな加速感も気持ちいい。
回生ブレーキの違和感はブレーキペダルに出ないから停止時にギクシャクしないのもいい。
とても楽で快適なクルマだ。
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加速感が増し回生ブレーキでエンブレ感を強調する「sport」モードもあるんだけど、
ハンドリングを含めて今回はあまり試す機会はなかったけど、
素直なコーナリングをするような感じはある。

とにかく静かなので、低速でステアリングを切った時のタイヤ音(夜間の路地では気になるだろうな~)が気になったり、
A/Cのファンが最小でもうるさく感じたり、
高速道路巡航では今までは聞こえてこなかった位置にいるクルマの音まで
聞こえてきて、周りへの注意が過敏になってしまうのがちょっとストレスだった。
喩を代えると「見えないとこまで見えちゃって面倒」という感じかな。

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圧縮水素満タンで約750km走行可。
エアコン入れて一般的な走りで約500km走るらしい。
水素充填は3分。
しばらくは公官庁や企業向けのリースのみで766万円。
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